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ボタンの種類と特徴|スーツを引き立てる小さな主役

  • 執筆者の写真: Jillvas 日向
    Jillvas 日向
  • 10月8日
  • 読了時間: 5分

【はじめに】


スーツを仕立てる際、「生地の質感や色合い」にはこだわる方が多いですが、

意外と見落とされがちなのがボタンの存在。


たった数センチのパーツながら、スーツ全体の印象を左右する“名脇役”です。

素材や形、光沢の違いで、同じ生地でも雰囲気がガラリと変わります。


「細部こそが真のエレガンスを決める」

― ココ・シャネル ―


この記事では、ボタンの種類や特徴、由来から選び方までをわかりやすく解説します。


この記事でわかること

 • ボタンの主な種類と特徴

 • 各素材が与える印象の違い

 • ボタン数・並びの違いによる印象変化

 • スーツに合うボタンの選び方と失敗しないコツ

 • Jillvasが提案するボタンセレクトのこだわり

スワロフスキー・ボタンホールの糸色

オプションでスワロフスキー、ボタンホール糸色の指定可能



【ボタンの種類と特徴】


スーツのボタンは素材によって印象が大きく異なります。

まずは代表的な5つの種類と特徴を見ていきましょう。



ナットボタン


南米の椰子「タグアの実」から削り出した天然素材。

表面のマットな質感と温かみのある色調が特徴で、軽やかな雰囲気を演出します。

クラシックで柔らかい印象のスーツにおすすめ。


メリット:自然な艶、軽量、環境に優しい素材

デメリット:水に弱く、欠けやすい

ナットボタン

水牛ボタン


高級スーツの定番。

インドやネパール産の水牛の角を削り出して作られ、一本ごとに異なる模様が魅力です。

控えめな艶と重厚感があり、ビジネスにもフォーマルにも万能。


メリット:高級感・自然な模様

デメリット:湿気に弱く、高温多湿の環境では変形の恐れあり

水牛ボタン

貝ボタン(シェル)


白蝶貝や黒蝶貝を使用したボタン。

深みのある光沢があり、上品で華やかな印象を与えます。

特に白蝶貝はフォーマルスーツやタキシードの装飾に最適。


メリット:透明感のある輝き

デメリット:衝撃に弱く、割れやすい

貝ボタン

メタルボタン(真鍮・ステンレスなど)


ブレザーや礼装用ジャケットの定番素材。

金属の質感と重量感があり、英国調スタイルの象徴です。

特に金ボタンは「ネイビーブレザー=紳士の定番」を象徴するアイテム。


メリット:高級感・耐久性が高い

デメリット:重く、日常使いのスーツにはやや硬い印象

メタルボタン

樹脂ボタン(プラスチック)


既製スーツでも多く用いられる素材。

軽くて丈夫で、デザインの自由度が高く、色や形のバリエーションも豊富。

コストを抑えつつ統一感を出したい方におすすめ。


メリット:軽量で丈夫、低コスト

デメリット:天然素材に比べて深みや艶が劣る



【ボタンの数・配置による印象の違い】


ボタンの「数」や「並び方」もスーツの印象を決定づけます。


• シングル2つボタン:現代の標準スタイル。スタイリッシュで軽快な印象。

• シングル3つボタン:英国の伝統的スタイル。フォーマル度が高い。

• ダブル6つボタン(2×3):重厚感と威厳があり、イタリアやフランスの仕立てに多い。

シングル3つボタン段返りのカシミヤジャケット

シングル3つボタン段返り


また、袖口の重ねボタン(本切羽)はオーダースーツならではの象徴。

ボタンを一つ開けるだけで、「本格仕立て」をさりげなく演出できます。



【ボタンの歴史と由来】


ボタンの歴史は古く、起源は紀元前2000年のインダス文明まで遡ります。

当初は「装飾品」としての役割が中心で、実用的に使われ始めたのは中世ヨーロッパ。


特に18世紀のフランス宮廷では、金や真珠、象牙など贅沢な素材で作られたボタンが「身分の象徴」とされました。

19世紀になると、産業革命の影響で一般市民にも普及。

現在のようにスーツに装飾・留め具として付けられるようになったのはヴィクトリア時代以降です。


「紳士の装いはディテールに宿る」

― オスカー・ワイルド ―



【シーン別おすすめボタン】


シーン

おすすめ素材

印象

ビジネス

水牛ボタン・ナットボタン

落ち着き・信頼感

フォーマル

黒蝶貝ボタン・メタルボタン

品格・華やかさ

カジュアル

ナットボタン・樹脂ボタン

柔らかく軽快

豆知識として、イタリアでは季節によってボタン素材を変えることもあります。

夏はナットや貝、冬はホーンやメタルなど、素材で季節感を演出するのです。



【ボタン選びでよくある失敗例】


1. 生地とのトーンが合っていない

 → 明るいグレーのスーツに黒ボタンをつけると重たく見える場合も。

2. 用途に合わない素材を選ぶ

 → 雨の多い季節にナットボタンを選ぶと劣化が早いことも。

3. ボタンホールとの相性を無視

 → ボタン径が大きすぎると着脱がしにくく、仕立て全体に影響することもあります。



【Jillvasでのボタン提案】


Jillvasでは、世界の一流生地と同様に、ボタンも厳選素材を採用しています。


• 水牛・ナット・貝など天然素材を豊富にご用意

• 生地の色味や柄とのバランスを考慮し、最適な一着をご提案

• 実際に手に取って質感を確かめながら選定可能


仕立ての最終仕上げに欠かせないボタン選びこそ、「自分らしさ」を表現する重要な工程です。

オーダースーツ用の生地とボタン見本を並べたテーブル


【まとめ】


ボタンの種類と特徴を理解すると、スーツづくりがより楽しくなります。

小さなパーツでも、素材や色の違いが全体の印象を決定づけるほど重要です。


素材の歴史や質感を感じながら、自分に合った一着を完成させてみませんか?

Jillvasでは、ボタン選びから仕立てまで丁寧にサポートいたします。




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